グアムの不動産市場には、日本国内の不動産とは異なる大きな特徴があります。その一つが、米軍関係者による住宅需要です。グアムには米海軍、米空軍、米海兵隊など多くの軍人・軍関係者が駐留しており、基地外のコンドミニアムや戸建住宅を借りて生活する軍人もいます。

米軍人が基地外住宅を借りる際に重要になるのが、OHA(Overseas Housing Allowance/海外住宅手当)です。日本人投資家から見ると、このOHAによる米軍住宅需要に加えて、グアム不動産は米ドル建ての不動産を所有し、米ドルで家賃収入を得られるという特徴もあります。
つまり、「米軍住宅需要 × OHA × ドル建て家賃 × 為替」という組み合わせが、グアム不動産投資を考えるうえで重要なポイントになります。
OHAは、海外に駐留する米軍人が基地外の民間住宅を借りる際の住宅費を補助する制度です。主にRental Allowance(家賃)、Utility / Recurring Maintenance Allowance(光熱費・維持費)、MIHA(入居時住宅手当)などから構成されています。
OHAは家賃上限額をそのまま現金でもらえる制度ではありません。例えばOHAの家賃上限が$2,450で、実際の契約家賃が$2,205であれば、家賃部分は原則$2,205までです。貸主側から見るとOHAは「この階級の軍人が、どの程度までの家賃の住宅を選択できるか」を考えるための重要な指標になります。
| 階級 | 単身の目安 | 扶養ありの目安 | 貸主側の想定家賃 |
| E-1 ~ E-8 | 約$2,205 | 約$2,450 | $2,205~$2,450 |
| E-9 | 約$2,340 | 約$2,600 | $2,340~$2,600 |
| O-1 ~ O-3 | 約$2,205 | 約$2,450 | $2,205~$2,450 |
| O-4 | 約$2,340 | 約$2,600 | $2,340~$2,600 |
| O-5 | 約$2,520 | 約$2,800 | $2,520~$2,800 |
| O-6以上 | 約$2,610 | 約$2,900 | $2,610~$2,900 |
※OHAは変更される可能性があります。実際の契約時には、軍人本人の最新OHA資格・DTMOの最新レートを確認してください。
月額$2,205の場合、年間家賃収入は$26,460です。購入価格を抑えながらこの家賃帯を確保できれば、比較的高い表面利回りが期待できます。
| 購入価格 | 月額家賃 | 年間家賃 | 表面利回り |
| $300,000 | $2,205 | $26,460 | 8.82% |
| $325,000 | $2,205 | $26,460 | 8.14% |
| $350,000 | $2,205 | $26,460 | 7.56% |
| $375,000 | $2,205 | $26,460 | 7.06% |
| $399,000 | $2,205 | $26,460 | 6.63% |
$400,000台では、$2,205の家賃だけでは利回りが低下するため、$2,450前後のOHAレンジに適した物件かどうかが重要になります。
| 購入価格 | 月額家賃 | 年間家賃 | 表面利回り |
| $400,000 | $2,205 | $26,460 | 6.62% |
| $400,000 | $2,450 | $29,400 | 7.35% |
| $425,000 | $2,450 | $29,400 | 6.92% |
| $450,000 | $2,450 | $29,400 | 6.53% |
| $475,000 | $2,450 | $29,400 | 6.19% |
| $499,000 | $2,450 | $29,400 | 5.89% |
グアム不動産は米ドル建てです。物件を購入するのも米ドル、米軍人から受け取る家賃も米ドル、将来売却した場合の売却代金も基本的に米ドルです。日本人投資家から見ると「ドル建て不動産を所有し、ドル建て家賃収入を得る」という投資になります。 円安・円高によって購入時の円換算額と家賃収入の円換算額は次のように変化します。
| 為替 | $300,000物件の円換算 | 年間家賃$26,460の円換算 |
| $1=¥110 | 約3,300万円 | 約291万円 |
| $1=¥130 | 約3,900万円 | 約344万円 |
| $1=¥150 | 約4,500万円 | 約397万円 |
| $1=¥160 | 約4,800万円 | 約423万円 |
円安は購入時の負担を大きくする一方で、保有後に受け取るドル建て家賃を日本円換算した金額は大きくなるという二つの側面があります。購入価格と家賃を同じ為替レートで換算する限り、ドルベースの表面利回りそのものは為替によって変わりません。
日本国内に不動産、預金、事業、収入などを持つ投資家にとって、グアム不動産は資産の一部を米ドル建ての実物資産として保有する選択肢になります。さらに単純なドル保有ではなく、不動産から毎月ドル建ての家賃収入を生み出せる点が特徴です。
物件価格帯ごとに整理すると、$300,000台:想定家賃:$2,205前後。表面利回り:約6.6~8.8%。比較的広い軍人層をターゲットにでき、購入価格とOHA家賃のバランスを取りやすい価格帯。
$400,000台:想定家賃:$2,205~$2,450前後。表面利回り:約5.3~7.4%。特に$2,450レンジで貸せる物件かどうかが重要。
$500,000台:想定家賃:$2,450~$2,900前後。上位階級をターゲットにできる立地・広さ・設備などの商品力が重要。
グアム不動産を投資として考える場合、単純に物件が安いか高いかだけを見るのではありません。「物件価格 × OHA × 想定家賃 × 米軍住宅需要 × 利回り × 為替」という複数の要素を組み合わせて考えることが重要です。
米ドル建ての実物資産を保有し、米軍住宅需要を背景として米ドル建て家賃収入を得るという投資モデルは、グアムならではの特徴的な選択肢です。日本人買主にとってグアム不動産は、海外の別荘やセカンドハウスだけでなく、OHA・利回り・為替・資産分散という複数の視点から検討できる投資先といえるでしょう。
免責事項:本資料のOHA金額は2026年時点の公開情報を参考にした目安です。OHAは変更される可能性があり、階級、扶養家族の有無、適用時期等によって異なります。利回りは管理費、固定資産税、保険、修繕費、空室等を考慮していない表面利回りです。為替レートは説明用の例であり、将来の為替水準または投資収益を保証するものではありません。
